親孝行しなきゃ…

肩たたきの人形

親孝行って何もしてないな… でも、何すればいいんだ?
こう考えさせられた時に、今の自分にできて、かつ自分にしかできない親孝行として始めたのが「代理終活」でした。
そんな単語があるものなのかは分かりませんが…要しますと、両親の終活を代わって取り組むということです。

まだ両親ともに健在ですし、現在も継続中の活動ではありますが、自分のための備忘録として、そして同じように両親の終活を考えている方にとって少しばかりでも参考としてお役に立てればと、これまでの流れを綴っていくことにしてみました。

40代のサラリーマンが終活を志した経緯って?

自分はIT関係の中小企業に勤める40代のサラリーマン。ちなみに独身。こう書くと何かとネガティブな感じのイメージがちらついているのではないかとも思いますが、意外にもプライベートが充実していないかと言えばそうでもなく(意外にもって…)、気ままにうちこめる趣味もそこそこあり(源湯温泉を巡る鉄道旅など…)、独り身だからこそできるような楽しみ(秘境駅を巡る鉄道旅など…)も一応は満喫してはおります。

収入は決して高所得者というものではないものの、貯金なんて本当に非現実的な幻想でしかなかった若い頃よりかは、随分と安定したと言っても良いのかな?と思える状況ではあります。

実家の両親はというと、今もバリバリ働く現役。元々仕事好きなタイプだったので、定年後も継続して勤務。
それに甘んじ、金銭的な支援はしたこともなく、親孝行と言えばたまに顔をだして外食に連れ出したり、何度かボーナスで最新型の電化製品を買って贈ったりした程度。
ましてや周りの同僚や後輩たちが行っている「孫を連れて会わせに行く」といったようなハイスペックな孝行をするなんて、言うまでもなく現実的に不可能!
これが、冒頭の「親孝行してないな…」を考えるきっかけとして大きかったかもしれません。

しかし、何ができるのだろうか?何をすべきなのだろうか?情けない話、親孝行の仕方がよく分からなかった。
と言うか、買ってあげる事、贈ってあげることばかりを考えていて、むしろ孝行ではなく「商品の選考」になりつつあった。
正直、熱中症予防に「省エネエアコン」か、疲れを癒やしてもらう「マッサージチェア」の2択までに絞ってもいた。
だけど、腑に落ちない感。実家のエアコンも壊れてなさそうだし、マッサージチェアって大きいよなぁ…。もしかして邪魔?
そんな机上の空論を繰り広げるだけで、結局実行に移すことなく過ごしていた時、何気なく観ていたテレビで流れたのが、終活をテーマにした番組だった。その内容じたいは、自分の立場とはかけ離れたものだったこともあり、特別な感情や興味を抱いたという訳ではなかったけど、「終活」というワードにピンとくる物を感じた。
老後の準備って大変そうだなぁ。でも、少しでも片付いていたら、これから先の人生も気楽なものになるんじゃないか?
エアコンやマッサージ機よりかは、少なくとも有意義な気がする。それが、終活の手伝いをするという事だった。

実家の財産って何だろう

いざ「親の終活をやる」と思い立ち、頭に浮かんだのは遺書とか相続のこと。
自分自身は終活なんて考えたことがなかったし、それ位しか思い浮かばなかった。
それらは確かに重要な事だけど、突然「遺書書かない?」なんて、さすがに言えない汗。じゃあ相続か、と、家の財産について思い当たるのは、貯金と家、車、あとは親父の昔からの趣味であるギター。高そうなギターをいくつか持っているけど、自分は楽器のことが全く分からない…。継ぐとしても弾けない…。ただ、そうスペースをとる物でもないし、車のような権利とか難しいことは絡んでないようなイメージ。一生ものの趣味娯楽として、親父のもとで大切にされ、もしもの時に考えればいいやと、とりあえず保留。

貯蓄は、母親がかなりマメな性格で、例えば商店街のスタンプシールなんかも毎回買い物の際に貰い、シートにギッシリと貼り集めていた。ちなみにこれは今も継続中だ。保険も慎重に選んで入っていたし、以前老後の蓄えくらいは貯めてあるといった趣旨の話を聞いたこともある。なので、貯蓄は母親の管理のもとそれなりにはあるのだと思う。しかし、本当の経済状況を自分は全く把握していないというのが正直なところです。

そして家。これはイメージだと凄くややこしく、難しそう…。だけどこの不動産の相続については絶対に考えておかなくてはならない。もしもの時のためにも、自分が主導できる位の知識は入れておいたほうが良さそうだし、終活ってそう言うことだよな、と。まずは、アマゾンで本を買って勉強することにしました。

そして、就寝前に取り寄せた本を寝転びながら読むことが日課に。やがて薄々と、これは親だけでなく子である自分にも大きく関わってくるテーマであるということに理解し始めてくる。「これはしっかりせねば」と起き上がって襟を正そうとしたその時、そもそも論的な事にふと気付く。「と言うか、両親ってあの家でずっと暮らしていくんだよな?」ということ。
だとすれば、平均的な寿命を考えてもあと20年近くは実家で生活することになる。
もし別の選択肢を考えているのならば、売却?引越し?まさに、「そもそも」この先、両親にはどのような計画があるのだろうか。

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